道助の自分セラピー

自分の心の取説。自分セラピーの発信。日本メンタルヘルス協会講座での学びと所感の記録。

「是々非々」

是は是とし非を非とする

 

 新入社員だった時に、教わった言葉です。正しいことは正しい、間違いは間違いと公正に判断すること、そう辞書に載っています。社会人として、仕事を進めていく上で、当時の私は一つの指針にしていました。

 

 仕事における効率、正確性、要因の特定に有効な物の考え方だと信じていました。ある程度経験を踏んで、わかったことがあります。自分も含めて、人には当てはまらないこともある、ということです。人間はコンピューターと違い、0と1の乱数で割り切れない部分があります。

 

 

 例えば失敗をした時のイメージ。起きている出来事を客観的に見る、結果正しいか間違いかをはっきりさせないと、原因は究明できず改善できない。ただ、その背景にある失敗をした時の考えも観る必要があるのでは。改善する為だけなら、人の考えは無視して行動を変えればシンプル。失敗自体が次に活きる。

 

 けれども、失敗した当事者は従うだけで、環境が変われば同じ失敗をする可能性も出てくる。腑に落ちていないから。正と誤の間にある、考えや感情が整理できて、腑に落ちて、経験が初めて血肉になる。そして、非非の刃だけで切られ続けられると、矛先は他人に向かうこともあると思う。

 

 正と非の間で、両方受容しながら、客観的に判断する作業をしていかないといけないと思う。お互いの受容がないと、正しい人間は間違った人間を攻撃し、間違った人間も正しい人間に対立したり、他の間違った人間を攻撃する、そんな構図はいかがなものかと。

 

 

 そのような状況を作らない為にも、聴くという作業はコミュニケーションを円滑にする上で、大事と思います。世の中、自分と同じ考えの人は一人もいないのですから。是々非々の中間、八方美人というわけではなく、どちらも理解され、どちらも納得のいく道が歩めれば、大きな対立は起きないのではないか、そう信じています。

 

 

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