道助の自分セラピー

自分の心の取説。自分セラピーの発信。日本メンタルヘルス協会講座での学びと所感の記録。

人の本質は煙の中へ

 古谷三敏氏、寄席芸人伝から

 

 以前も書いたので、重複してしまいますが、「人の価値とタバコの味は煙になるまでわからない」という、落語の一節があります。私は、この言葉がすごく好きで、何年思ってきたのかわかりません。

 

 

 生まれてから、終わるまで、自分たちは宿題を持って生きているという考え方があります。前世の宿題を持ち続けている、なんて話もありますが、私は理解できるほどの人間ではありません。今を生きるのに精一杯ですから。ただ、人間の脳には、今世で使いきれないぐらいの潜在能力があるということは、心理学を通して認知しているつもりです。しかしながら、タバコの煙と同様に、人の価値は煙で昇っていく時に価値がわかる、そんな日本独特の文化があるのかもしれません。諸外国の文化にもあるかもしれませんが、無知で申し訳ありません。

 

 

 君が生まれた時は最高の泣き顔で、周りは最高の笑顔で。君が去る時は最高の笑顔で、周りは最高の泣き顔で。言葉では分かるのだけど、本当にそう生きれるだろうか。これまでの道筋は、君が辿って来た幸せに終わる道だと。

 

 

 涙は人生のデトックスだと思います。いつか、その涙を流すために頑張っているのではないかと。苦しさ、辛さ、色々とあるかもしれませんが、ひょっとしたら全てはそんな時の準備かもしれません。あの人は、嫌味ばかり言っていたけど、私のことを心配してくれていた。あの人は優しい言葉をかけてくれていたけど、本当は自分自身を認めて欲しかったのだろう。

 

 

 今日、この時笑えなくても、泣けなくても。どこかで笑顔を作れて、どこかで涙を流せる。そんな気持ちで居れれば、何も恐れることや、心配することもないのではなかろうかな、と。

 

 振り返った時に、あの人は私に何かを伝える為に、出会ってくれたのではないだろうか。そんなことを考えられる年の取り方、共時性の考え方ができたら、私はもっと幸せだと思う。出会いは、宝物なんてチープな言葉かもしれないが、出会いがあって良かったと思う。

 

 

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