道助の自分セラピー

自分の心の取説。自分セラピーの発信。日本メンタルヘルス協会講座での学びと所感の記録。

千と千尋の神隠しのカオナシから学ぶ心の考察

人の心の動きをカオナシから学べること

 

 先日金曜ロードショーでジブリ映画の「千と千尋の神隠し」を観ました。ジブリ映画なんていつぶりかな、なんて思いながら。本作品も初見ではありませんが、何年ぶりかは覚えていないくらいです。その中で考えさせられることがあったので、綴っていきたいと思います。全体的なストーリーは割愛し、「カオナシ」というサブの登場人物の行動や心の動きに焦点をあてていきます。ご了承下さい。

 

 主人公が神隠しにあった後の、現実と違う世界。油屋という温泉施設で働くことになる主人公。ある時、油屋に現れるカオナシという化け物。主人公は客と勘違いして親切に対応する。「嬉しい」、その感情から最初おとなしかったカオナシの心や行動が変化していく。

 

 主人公に好かれたい、そう思いカオナシは主人公や油屋の客や従業員を観察する。主人公に近づくも、忙しそうで相手にされない。どうしたら相手にされるのか考えたすえ、客になればよい、金があればよいと考えるようになる。

 

 金で従業員を引き寄せ、その従業員を食べて体の中に取り込むことで、従業員の思考や力を身につける。より多くの従業員を取り込んでいくにつれ欲望は肥大化するが、主人公に好かれたいという心は満たされない。主人公と対峙した時に金や物を与えて気をひこうとするも、上手くいかない。その時に「さみしい」と言葉がもれる。

 

 最終的に主人公から解毒薬を無理やり食べさせられ、体に取り入れた人物を全て吐きだし、元のおとなしいカオナシに戻る。主人公に許されたカオナシは、主人公の旅の途中までお供をする結果となる。

 

 

 一連の流れは、人間の心の動きにもあることかもしれない。

 

 憧れて近づこうと行動し、方法を考えて実行する。カオナシの場合は実行する方法が適していなかったので、心が満ちることはなかった。最初と比較すると成功してきたのに心が満たされない。「さみしい」は第二感情。「嬉しい」から生まれた、相手と仲良くしたいという期待が第一感情。金や物では心は動かせない。仲良くなりたい、「幸せ」になりたいと行動したのに反対の方向に進んでいく。

 

 映画の中の他人事なのかな、と。

 

 この物語の救いは、主人公が両親の為にとっておいた解毒薬をカオナシに使うこと。すべてを吐き出したカオナシが素直な元の心と体に戻ること。結果、旅についていけることになった。

 

 

 私達も、自分の行動や思考を見直すことが必要だと思います。カオナシのように運が良いとは限らないから。幸せは自分の外に求めることではなく、自分の内部にあることを認識して生きていくこと、素直に生きていくことが結果としては求めていた幸せに繋がるのかもしれない、そう感じました。

 

 

 お読み頂き、ありがとうございます。