今まで良い影響を受けた言葉を棚卸ししてみる 27
「離別感」
心理カウンセラー 衛藤信之先生の言葉
親しき仲にも離別感。どんなに近しい相手だとしても、相手は自分と違う性格や考え方がある。あの人はあの人、私は私。親兄弟であっても、ましてやパートナーや恋人であっても、私とは別の存在。
心理カウンセリングを学び始めた当初に教わった言葉。理解することができるまでに時間がかかった言葉。そして何よりも、今現在も大切にしている言葉であり考え方。
メンタルに出会い、心理カウンセリングに出会った当初に教わった言葉です。その当時の私はメンタルの病もひどく、心理学用語で共依存という状態でした。社会的なコミュニティから切り離され、とにかく人と接する時間が欲しかった。そんな時期でした。当時を振り返ると、とにかく自己承認欲求が強く、存在を認めて欲しいという考えが強かったように思います。
その時の思考は、一言で表現すると「かまってほしい」につきるかな、と。孤独に耐えられなかった自分。帰属、承認を求めていた自分。そんな感じかと。
離別感の反対は一体感。心理学では「母子一体感」と表現されます。幼い子供が、自分の考えを母親は理解してくれているだろう、といった考えかたです。例えるならば、喉が乾いたら母親に飲み物を求める時、何を求めているか母親は知っていてくれるだろうという感覚です。
大人になってもそんなことあるな、と。気づくことができるまで時間がかかったのだけれど。部下はわかってくれている。上司はわかってくれている。パートナーは何も言わなくてもわかってくれている。子供は親の気持ちを、親は子供の気持ちをわかってくれている。
これらは母子一体感。甘え。
大人になったら離別感が必要。今この時に対峙している相手は母親ではない。相手には相手の考え方や捉え方があり、自分の思い通りに相手が捉えてくれなくても当たり前のこと。私は私であなたはあなた。だからこそ、コミュニケーションが大事になってくる。言葉も気持ちもね。相手を敬えるから、相手を大事にできて、有難いことだと思える自分になれる。
親しい人ほど、なかなか離別感を持てない。親しい人ほど、意識的に離別感を持つことが大切。
その人のことを大切に思うからこそ、離別感を持てる自分になることが大事。
離別感という言葉の中身を知り、今の私にとって大切な、ゲシュタルト療法をはじめとする心理カウンセリング、自分軸、自己肯定感を学ぶ礎になったのはその後の話。スタートは離別感だったかな、と。
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