道助の自分セラピー

自分の心の取説。自分セラピーの発信。日本メンタルヘルス協会講座での学びと所感の記録。

改めて、聴くことは愛だと思う

日本で一番の傾聴の達人

 

 皆さま、松下幸之助という経営者をご存知でしょうか。最近では(どこからが最近かはわかりませんが)知らない人も増えているようです。

 

 

 現パナソニック(旧松下電機)の創始者であり、PHP研究所の創始者。松下政経塾で数々の人材を政財界に送り出した、経営の神様、今太閤と言われた実業家です。幼少の頃から家庭の不遇、体の弱さもあったことも伴なって、人を活かす経営を主とし、「人間大事」を経営哲学として1989年まで活躍されていました。昨年お亡くなりになった、京セラの稲森和夫氏も師事していた方でした。

 

 全員経営を御旗のもとに、経営理念を全社員にまで浸透させること、人の話を最後まで聴くこと、社員を信じて任せることを、経営の主軸にされていました。

 

 

 「人間大事」を細かく三つに分けると

・この世に無用な人は一人もいない

・人間には無限の可能性がある

・どんな人も磨けば光る、ダイアモンドの原石

 と提唱されていました。

 人間の多様性を「百花繚乱」と表現し、人間を大切にする経営をされてました。

 

 

 さて、では松下幸之助氏と傾聴の繋がりはと言いますと。

 

 

 松下幸之助氏の耳は、とても大きく、あるインタビューした記者は両耳がまるで二つの顔だ、と表現した程です。とにかく、人の話を最後まで聴き続けるエピソードが数多くあります。幹部から、末端社員、松下政経塾の新弟子さんに至るまで、どんな人の話も最後まで聴いていたそうです。

 

 聴かれたからといって、そのアイディアが採用されるわけではないそうで、聴いてもらった人は、今度こそ採用してもらおうというモチベーションが上がったとのことです。それだけ、松下幸之助という人は、人の話を聴いていました。体が弱い自分が、人に任せなければならないという背景もあったそうですが。

 

 

 さて、クライアント中心療法で、心理学の世界で影響力のあるカール・ロジャーズ博士の傾聴を私は学んで来ました。傾聴することで、クライアントさんの心に寄り添い、気づきを見つけるお手伝いをすること、それがロジャーズ派の受け止め方と私は認識しています。ロジャーズ博士は1902年に生誕してから1987年に他界されるまで、近代心理学に影響を与えて来られました。まさに、傾聴は愛だという考え方を。

 

 ところが、不思議なことに松下幸之助氏は1894年に生誕し、1989年に他界されるまで経済界に影響を与え続けています。松下氏がいつから人の話を最後まで聴くことに尽力したかはわかりませんが、この二人の偉人の繋がりに不思議なものを感じます。*ご存知の方いらっしゃいましたら、ご指南下さい。勉強不足で、申し訳ないのですが。

 

 

 二人の偉人の共時性を、シンクロニシティを、時代を超えて現在感じていることに驚きと幸せを感じました。

 

 

 お読み頂き、ありがとうございます。