道助の自分セラピー

自分の心の取説。自分セラピーの発信。日本メンタルヘルス協会講座での学びと所感の記録。

活殺自在

 

 心理学を学んでいると、色々な過去の記憶と結びつくことがあります。その日に気づいた結びつき。昔はわからなかったこと、表面だけの知識、脳科学的には大脳新皮質(以下、理性の脳)の後頭葉で過去に記憶した知識。私もそうですが、皆さんも「あの時あの人が教えたかった事、伝えたかった事はこういうことだったんだ」という経験をお持ちではないでしょうか。あの時得た知識は、こう工夫して使うものだったんだ。などなど。

 

 上記の後頭葉に対して、理性の脳には前頭葉という部分もあります。後頭葉では過去から学んだこと、記憶を踏まえて、どうしたいか、どうすればよいかを考える働きをしています。アイデアや個性が生まれるのも前頭葉からです。

 赤ちゃんは生まれてからしばらくは泣くことで親に「お腹がすいてる」等のヘルプサインを出します。成長し少しずつ言葉を覚えると、親にどう声をかけると来てくれるか、助けてくれるかを伝えられるようになります。後頭葉で得た経験を、前頭葉で活かして、言葉にしているからです。

 

 大人になっても、後頭葉で得た知識を前頭葉で考え、様々なアイデアを生み出す力が人間には備わっています。人類の歴史は長く、今日まで発展してきました。前頭葉で生まれたアイデアや知恵は、自分以外の誰かの為に使うことが成してきたからだと思います。反面、アイデアや知恵を自分の為に使うことあったこともあると思います。

 

 極端な例ですが、プルトニウム原子力発電や人工衛星の電源として使われることもある誰かの役にも立ちますが、核爆弾を作る原料にもなり命を奪う道具にもなります。命は人間もそうですが、人間だけに与えられたものではない。そう感じます。

 

 昔、武道を習っていた時に尊敬する先輩の帯に、「活殺自在」という四字熟語が刺繍されてました。活かすも殺すも自分次第という意味の言葉です。あの時の私は、相手に対しての言葉ですが、自分にも跳ね返ってくる言葉と思います。

 

 人間のアイデア、個性も同じ。相手を活かすことで自分も活かされ、相手を傷つけることで自分も傷つく。相手を傷つけて、自分が活かされる、そこに自分の幸せはあるのかと考えた時、私はないと思います。

 誰かを思い、強さ(個性)を誰かの為に。まだまだ答えははっきりできませんが、芯にある気持ちはぶれないように、生きていきたいです。